


PART1リクガメについて考えてみる
リクガメはとても愛らしく、魅力的な生き物ですが、その飼育方法は特殊なものです。
カメは甲羅を健康に保つため日光浴をしますが、室内での飼育は日光の代わりをする「紫外線ライト」と、適切な温度を保つための「保温球」が必ず必要です。
費用も飼育器具(消耗品)の他に毎日の電気代、食事代(最低でも5種類の野菜の常備と管理が必要)と多くの出費がかさみます(リクガメは長寿なのでこれが何十年も続きます)
リクガメはまだペットとしての歴史が浅く、犬や猫のように飼育方法も確立されていません。
人間がリクガメを飼育するためには、小さなケージで(不自然に)環境を再現させなければならず、そこにはおのずと限界があります。
PART2通信販売は利用しない
リクガメはなかなか地元のペットショップでは手に入りづらい…なので、大半は通信販売(またはオークション)という手段が
検討されるのですが、通信販売は絶対に止めておきましょう。通販ではクロネコやゆうぱっくなどの宅急便が利用されますが、
発送の際は生き物だからと言って特別な扱いはしてもらえません。お店によってはずさんな方法で梱包されたりします。
最近では通販はしない!という良心的なネットショップ(
ピースさんなど)も出てきました。
PART3野生動物は飼わないで!!
近年、わが国ではエキゾチックアニマルの輸入数が急増し、物珍しさからの安易な購入も増えているのが現状です。
爬虫類、特にリクガメの輸入数はわが国日本が輸入率No,1という事実、知っていましたか?
よくお店で「WC」という表示を見かけますが、これは、ワイルド固体といって、野生の固体のことを指します。
(逆に「CB」とは繁殖固体)リクガメは全種が絶滅の恐れがある種に指定されており、「ワシントン条約」でもその取引数が規制されています。野生で暮らしていたリクガメを捕らえ、ケージに閉じ込めて飼うという行為はその動物にとってどれ程不幸なことなのか、飼う前に考えてみたいものです。
PART4広いスペースは用意出来ますか?
ホシガメ、クモノス、大型種(ケヅメ、ヒョウモン)は特に初心者には飼育が難しく、大型種についてはケージ飼いすることが不可能な
ため、放し飼いが基本となり広いスペースが必要です。逆に飼い易いと言われる種は地中海(ホルス、ヘルマン、ギリシャ)などですが、
こちらも活発に動き、行動量が多いため、最低でも90cmの幅のケージが必要となります(ベビーの頃は水槽でも広く感じますが、1年であっという間に成長します)
野生のリクガメは水や食餌を求めて一日で数キロも移動すると言われています。狭いケージでは行動の欲求が満たされずストレスが溜まります。リクガメのためには放し飼いが一番でしょうが、環境の問題などあり、そう簡単に実現は出来ないかもしれません。
ケージ飼いの場合は定期的に部屋を散歩させる、天気の良い日は日光浴も兼ねて外の空気を吸わせるなどの工夫が必要です。リクガメを飼って気づいたことは、
野生のリクガメは巣を持たないということでした。ハムスターやモルモットなどは巣を作る習性があるため、自分が決めた場所(シェルターなど)から
あまり動こうとせず、ケージから出たがりもしませんが、リクガメはそういった習性が無いため、ケージから出たがりますし、活発に歩きたがります。その姿を見る度に、リクガメはケージで飼うものでないな、とつくづく思います。
※観賞目的でリクガメを飼おうとする人もいますが、上記の通りリクガメは日中ずっと静かに寝て過ごしているわけではありません。
また、飼育器具の紫外線ライトはリクガメに必要な紫外線を多く含んでいますが、人間の目や皮膚には害となるので長時間の鑑賞は不向きです。
私も昔からリクガメを飼うことが夢で憧れだったので、飼いたい!という気持ちは凄くわかります。
ですが、リクガメの現状や習性・環境のことを考えると、どうも人に「おすすめ」する気持ちにはなれなくなりました。
需要が供給を作る社会ですから、リクガメを求める人が増えれば増えるだけリクガメの輸入・密輸の数も増えていってしまいます。
私たちが動物をお金で買うことにより、こうした見えない被害が拡大していくことをもっともっと多くの人に知って貰いたいです。。
(since:2004/01/26〜閉鎖08/12/09)09.08.21